2013-09-23 Mon
今まで当ブログでは将棋の勉強法として主に詰将棋について書いてきました。詰将棋と同じくらい効果があると考えられるのが
「棋譜並べ」という勉強法です。
今回から数回に分けて、
「棋譜並べ」という勉強法について私が知っていることを書いていこうと思います。
(個人的な考えも含まれていますので、参考程度にしてください)
棋譜並べとは、一局の対局の棋譜(▲7六歩▽3四歩・・・という進行)を
自分で将棋盤に並べていく勉強法です。
やったことがない方は何の意味があるのかわからないかもしれません。
私は野球経験はありませんが、ヤンキースのイチロー選手のスイングを見るといつも美しいと思います。
それと同じように羽生三冠の棋譜を並べても美しいと思います。
有段者の方の多くは羽生三冠や他のプロの棋譜を並べると美しいと思うでしょう
実は将棋にもフォーム(型)のようなものがあります。
「ここはこうするのが自然だな」という形がたくさんあります。
私が、初級クラスの子達と指していると、対局中の様々な場面で、
「その手はおかしいな」と違和感を感じることがあります。
それはプロの棋譜や有段者同士の対局に慣れていて、
そういう対局では絶対に出てこないような手を子供が指すからです。
違和感を感じる場合は大抵悪手(悪い手)です。
悪手があれば丁寧に教えるようにしていますが、
悪手が多く、全部をいちいち指摘していたら試合にならない場合には、
スルーする場合もあります。
例えば下の図を見てください。
今、8八角成と相手が角を交換してきたところです。

初級クラスの子はこの角を金で取ることもありますが、
プロは絶対に銀で取ります。金では絶対に取りません。
(理由もありますが、それを書くとこの記事が更に長くなるのでここでは書きません)
これを金で取ったら、有段者の人はみんな違和感を感じます。
この1手ですぐ負けるというようなことではありませんが、
こういう違和感を感じる手(不自然な手)の連続でいつのまにか不利になるような
ことが将棋ではよくあります。
プロの将棋の中には、悪手はほとんど出てきません。
そういう美しい将棋をたくさん並べていると、上図において金で取るような手に違和感を感じるようになると思います。
棋譜並べの効果の内、最も大きい一つがこの自然な手の感覚や悪い手に違和感を感じるような
感覚が身に付くことだと私は思います。
次回以降具体的な棋譜並べのやり方を書いていこうと思います。
もし仮に毎日1局並べることを続けられたら、
1年後には有段者になってる可能性がかなり高いと思います。
私は、子供で棋譜並べを楽しめる時点で相当に将棋の才能があると思います。
早く棋譜を並べたいと思った子は教室で私に直接問い合わせてください。
棋譜並べの方法やお勧めの棋譜を教えます。
(その子の指す戦法によってお勧めの棋譜は変わります)
あと毎回書きたくなってしまうのでまた書きますが(笑)、
3手詰めの基礎が身に付いていないと、棋譜並べでどんなに良い感覚を身に付けても
勝てないと思うので、詰将棋もがんばってください。