2013-06-01 Sat
詰将棋の解き方には「簡単な問題を早く解けるようにする訓練」と、
「少し難しめの問題を深く考えるようにする訓練」の二つがあると思います。
「どちらが効果があるのか?」ということですが、
私は、それぞれ別の部分が鍛えられると思っています。
「簡単な問題を早く解けるようにする訓練」は、
詰将棋の問題の答えを考えるというより、
詰みの形をきちんと記憶できているかのチェックのような作業です。
これの効果は、「感覚を養う」ということだと思います。
この「感覚」というのは、
実戦で、相手の玉形(王様やその周りの駒の位置)を見て、
「これは詰みそうだな?」や「こうすればもうちょっとで詰む形になりそうだな?」
などということを感じる「感覚」です。
たくさんの詰む形を知っていると、実戦で相手より早く詰みそうな形に気づくことが
できるようになります。
相手が気づいていないのに、自分が気づいているということはとても有利です。
詰む形を覚えておらず、考えなければ解けない段階では、
実戦では「詰みそうな形」に気づきにくいです。
詰将棋の本では「3手詰めの問題だ」ということが分かっていて解いていますが、
実戦では、その局面が「3手詰めです」なんて教えてもらえないですし、
詰みがあるかどうかすらわからない状態から考えなければなりません。
その状態で詰みそうな形であることに気づくためには、「詰みの形」を記憶している必要があります。
実戦では
「詰みそうだな?」
と思った後に、
今度はその「感覚」が本当に正しいのかを考える必要があります。
この時に役立つのが、
「少し難しめの問題をじっくり深く考えることができる力」です。
これが所謂「読みの力」です。
この「読みの力」は、終盤(詰む詰まないの局面)だけでなく、
序盤(互いに駒の配置を決めている段階)に置いてもとても役に立ちます。
「自分がこうしたら相手はどうするだろう?」
と深く考えていくことができるようになります。
前々回の教室から、
この「感覚」と「読みの力」両方を鍛えるトレーニングを始めました。
3月に教室に来た時には、
学校で友達に全然勝てなかったS君が、
教室に通い始めて3か月弱で、かなり勝てるようになってきたそうです。
「勝つための技術」を一生懸命教えているので、
当然とも言えますが、
そういう話を聞くのは
私のモチベーションにも繋がります。
教室の子が、大会や、学校で、他の子にたくさん勝てるようにがんばっていきたいと思います。