2016-07-16 Sat
この教室には、将棋強くなりたいという子が多く、せっかく毎回教室に来てくれているのだから、何とか私もそのお手伝いをしたいと思い、毎回いろいろと試行錯誤しています。
教室で3級以上位になると、基礎的なことは大部分身についているので、私が教えられることは少なくなり、本人が正しい努力をするかどうかになってきます。
4級以下の子は、明らかに足りない部分があるので、そこさえ修正すればすぐに強くなるはずです。
いつも書いている詰将棋によって、読みの深さ、精度、スピードなどが鍛えられ、
これさえしっかりやっていれば4級位すぐに到達するようにも思えますが、
それを面白いと思えない子は、他の方法を考えても良いとも思います。
将棋の強さには、
読みの深さ、スピード、精度(正確性)、形の知識、精神面
などが必要で、これらのどれかが低いだけで、棋力が伸びなかったりします。
5つのうち、4つは高いのに、一つ低いだけで、5つとも低い子と戦っていい勝負だったりすることもあります。
詰将棋は得意なのに、実戦では勝てない。
定跡は詳しいのに、実戦では勝てない。
勉強がんばっているのに勝てない。
というケースは上の要素のどれかがまだ十分でない可能性があります。
精神面というのは、とても大きな要素で、
教室に長く通ってくれていて、もっと強くなっているはずなのに成績がいまいち伸びていない子は、
精神面の要素がとても大きいと感じています。
ただ、私もネットで連敗とかすると、
「こんな弱い奴が、将棋教室やってて良いのか!」とかって、凹むときもあります。
偉そうに書くだけで、自分でも「お前が書くな!」という罪悪感に苛まれそうなので、
これについては、もっと強くなって、書いても恥ずかしくなくなったら書きたいと思います。
(そんなときは永遠に来ないかもしれませんが・・。)
今日は形の知識について書きます。
毎回行っている詰将棋検定でも、時間内にきっちり解けるようになるまで、
何ども同じ問題を練習してもらうことにより、詰みの形をしっかり覚えてもらっています。
将棋には詰みの形だけでなく、知らなければならない形がたくさんあり、
強い人は、数手先のたくさんの形の中からより有利な形を目指して指しています。
例えば、下の図の角と金の位置関係と、持ち駒の銀を見てください。

ある程度のレベル(教室で10級位)になれば、見た瞬間、何も考えずに3三銀と打ちます。
これは、この角と金の位置関係が実戦で出てきて、良い思いもしくは悪い思いをした経験から、形を覚えているので、
すぐに銀を打てばよいとわかるのです。
強い子ほど、こういう形をたくさん知っています。
もっと複雑な形でもすぐにわかったりします。
それは実戦での経験や、次の一手の本、定跡の本、棋譜並べなどによって、
たくさんの局面に触れることによって覚えています。
将棋中継のプロの解説など見ていると、
プロの形の知識の広さ、深さに驚きます。それでも多分知識のほんの一部を紹介しているに過ぎないでしょう。
たくさんの形を知って、先を読み、その知っているたくさんの形の中から、どの形がより勝ちやすいかを選んで次の一手を決めていくのです。
形の知識を高めるための初級クラスの子向けの将棋の本を紹介しようと思い、
私の蔵書の中からいろいろと探していたのですが、
今購入できるものでは、一番簡単なものでも「ひと目の手筋」です。
この本は、初心者初級者の子にはハードルが高い問題が多いのであまりお勧めできません。
なぜか、初心者向けの次の一手問題集で良いものが今は販売されていません。
そこで、昨晩、父さんが夜なべをして(?)、「実戦頻出必須手筋48」という上の局面くらい重要度の高いもの48局面をまとめたプリントを作りました。
夏休みの将棋の勉強用として、次回、初級中級トーナメント参加の子達にお配りします。
次回全局面を説明はできないので、是非お家でも考えてみてほしいです。
1か月後くらいには、全員が上の形くらいのものであれば、
48問を5分以内に解き切ることを目標にしようと思っています。
初心者の子達だけでなく、今10級前後くらいで伸び悩んでいる子達にも、
大きな効果を出してくれると期待してます。