2015-10-16 Fri
教室で、負けて落ち込んでいる子にたまに言います。「100人のゲームでビリだったら、落ち込むのもしょうがないかもしれないけど、
将棋は二人で指すゲームで、二人の内一人は絶対に負ける。確率50%なんだから負けたくらい何でもないじゃん。」
将棋は、盤上に全ての情報が開示されているゲームなので、
運の要素が少なく、負けの原因はほぼ100%自分にあるように思えます。
だから、負けるととても悔しいです。
プロ棋士で、
「どこの誰かもわからない人に負けるのは腹が立つ」
という理由でネットでは指さない人もいるようです。
どの位悔しいか、将棋を指さない人にもわかるように説明しますと、
例えば、大逆転負けの場合、
数時間かけて作ったプラモデルを、完成直後に、いきなり踏んづけられて
壊されたような感じです。しかも、その状態で「ありがとうございました」と言わなければない感じです。
(体感には個人差があります。あくまでも私個人の感想です)
小学生なら泣きますよね。
泣かないだけ偉いです。
成長していく過程で負けても大丈夫になっていきますが、
それは精神力が強くなったか、本気で指していないかのどちらかかもしれません。
教室で、詰将棋検定や、大盤で詰将棋を出題しているのは、
勝ち負け以外に褒めてあげられる場面をたくさん作りたいという意味もあります。
大会の初戦で負けてしまってやる気が乗らない時や、連敗中のネット対局などでは、
一局を一冊の問題集だと思って指すと良いかもしれません。
100手で終わる将棋だとすると、
自分が指す50局面は50問です。簡単な問題もあれば、難しい問題もあります。
一問一問正解していき、重大なミスをしたら、負けという結果になりますが、
大事なのは問題集が終わった後です。
解きっぱなしでは意味がありません。
自分が間違えた問題を調べ、その正解を調べます。
感想戦をしてもらえるときには相手の人と答え合わせをしても良いでしょう。
答えが分からないときには、PCソフトに聞くのが良いですし、
それでも良く分からないときには、私に聞いてもらっても良いです。
大事なことは負けから何を学ぶかということです。
負けて学べば確実に成長します。
私もまだ修行中で、十分には身につけられていないと思いますが、
「負けから学ぶ技術」が身につけば、将棋以外のことでもたくさん使えると思います。
教室の子達に身につけて欲しいことの内の一つです。
この技術を身につけるのに、将棋は最適なゲームです。
週末は天童市民将棋大会があります。
参加するだけで素晴らしいことです。
頑張って欲しいですし、
もし負けてしまっても、その負けから学んできて欲しいです。