2013-12-20 Fri
![]() | 将棋世界 2014年 01月号 (2013/12/03) 不明 商品詳細を見る |
リクエスト頂いている棋書についての記事
もう少しお待ちください。
連休中には書きたいと思っています。
その前に、忘れそうなので(笑)前回の大会の記事の時に書きたかったことを書きます。
子供達の将棋を見ていると、
自分より強い子相手だと、
戦う前から、負けると決めつけて戦ったり、
自分の方が強いと思っている子が相手だと、
負けるわけないと適当な手を指したりするのを良く見ます。
優勢な局面で、相手がまだ投了していないのに、
自分の勝ちだと勝手に決め付けて急に適当に指し逆転負けすることもよくあります。
息子は特にそれがひどく、
「あの子はいつも角の筋に気づかないから大丈夫だろうと思って置いたらやっぱり気づかなかった。」
と得意げに自慢してきました。
私は
「将棋をなめるな」
と説教しましたが、
本人は舌を出して、
「舐めたことはないよ。うまくないでしょ」
とのことです。
少し強くなってきて、
楽に勝てる相手との対局も増えてきてから、勘違いしているのです。
そういう心構えなので、
級が全然下の子に、簡単に負かされることもよくあります。
負けたことのない子に負けてショックで泣いたりしてますが、
適当に指せば負けるに決まってます。
今月の将棋世界の対談で、
浦野八段が、
後輩で別格と思っている棋士は
羽生さんと豊島さんの二人と言っていました。
二人と戦うのを楽しみにしていて、
その時にワザと未知の局面に誘導したそうです。
「本物は将棋をなめていないから、未知の局面で凄い危機感を持って真剣に考える」
と評していました。
並みの棋士だと、
「まぁこんな感じかな?どうせ相手が間違えるだろ。」
みたいな感じで指すのに対して、
将棋をなめていない本物の二人は、真剣に最善手を追求していくそうです。
これは将棋が強くなる上でとても大事なことだと思います。
本物は
相手が強かろうが、弱かろうが、
その対局で優勝がかかっていようが、消化試合だろうが
優勢だろうが、劣勢だろうが、
「将棋をなめていない」ので、
常にその局面における最善手を追求するのです。
この姿勢が
本物二人の将棋の質の高さ、勝率に繋がっているのだと思います。
確かに二人の棋譜は特に美しいと感じます。
私はこの二人の棋譜が大好きで、モバイル中継があると必ず並べます。
普段の練習でも、詰将棋でも、
本物は実戦のような危機感を持って、真剣に取り組むのだと思います。
先日マナーについて書いた時の、
勝ってガッツポーズしたり、相手の二歩を喜んだり、対局中におしゃべりしたりというのも
将棋をなめてると思います。
そういう姿勢の子はそれ以上強くなりにくいので、姿勢を改める必要があるでしょう。
私も、ネット対局で格上相手だと萎縮したり、
格下相手だと油断したりすることがよくありました。
本物に少しでも近づけるよう、心を入れ替えようと思います。
「将棋をなめない」
ちょっと強くなってきた子にはこういうことも伝えたいです。
実力があるはずなのに、大会で中々勝てない子は
この話を意識すれば、少し勝率が上がるのではないでしょうか。