2013-12-02 Mon
前回の記事に将棋のマナーについての質問コメントを頂いたので、今回はマナーについて書いてみようと思います。
「勝った時に、ガッツポーズをしたり、声を上げて喜ばない。」
これは大会の規定にも書いてあったりします。
たまに大勢の人が見てる前で、親も一緒にハイタッチして喜んでいるようなのも見かけますが、
多分マナー違反です。
私も教室で、勝った時にガッツポーズして喜んだりしているのを見ると注意します。
初心者の子はそれでも良いかもしれませんし、
お家で親子で将棋を楽しむ分にはガッツポーズも全然ありだと思います。
しかし、大会に参加する上では、それはしない方が良いでしょう。
大会では、注意されることもあると思います。
(あまりひどいと勝利が取り消される場合もあるそうです。)
日本の武士道精神と同じで「勝って驕らず、負けて腐らず」ということだそうです。
このマナーについて将棋が全然わからない妻に話したところ、
「そういう所があるから将棋は地味って言われるんだよ」
と言われました。
妻曰く、
「勝った時は、サッカーでゴールを決めた時のように喜んだ方が良い。
その方が見ている人にもわかりやすい。」
とのことでした。
その斬新な発想はなかったので、一瞬返答に困ってしまいました。(笑)
確かに
大会などで、
勝った人が、喜びを爆発させて「カズダンス」でもすれば、
見ている分には面白いかもしれません。(笑)
ただ、私もそうですが、
有段者の人達は、勝った時に
ガッツポーズや声を上げて喜ぶのを我慢しているのではありません。
(感想戦でニヤつくのを堪える位はあります)
その将棋で自分が勝ちそうであるということは、
終局の10手以上前からわかっていることも多いです。
自分が優勢であると認識した際には
嬉しいという気持ちより、
「これはミスできない。これで負けたらショックが大きいぞ!」
という気持ちの方が大きいです。
勝ち将棋を逃した時は本当にショックが大きいです。
苦しい戦いが無事自分の勝利で終わった時も、
安堵感の方が強く、大喜びするような気にはあまりならないです。
一手でも間違えれば自分が負けていた可能性も十分にあったこともわかっています。
相手の「負けて辛い気持ち」も良くわかります。
多分、「カズダンス」ならしても良いという規定があっても
誰もしないと思います。(笑)
「プロは何故、勝った時に喜ばないのか?」
ということについて、
上野裕和五段の本のコラムにも
優勢の将棋を勝ちきるのは、時限爆弾を解除する作業に似ていて、
終局の瞬間は無事時限爆弾を解除できたような感覚なので、
喜ぶというよりも、安心するという感情になる
というようなことが書いてあったと思います。
「将棋に勝ってガッツポーズをしたり、
ガッツポーズをしたい気持ちが起こるような状態ということは、
まだ修行が足りない」と言えるのかもしれません。
初級、中級だと、相手がミスをしたらガッツポーズをしたりするような子も見かけます。
これも結局、こういう子は強くならないか、強くなる過程でそういう癖がなくなっていくようです。
上級クラスの子供達になると、感情のコントロールもできるようになっているので、
勝ってガッツポーズをするような子もまずいません。
教室でも、
大会に参加する子に対しては、引き続きマナーを指導していきたいと思います。