2013-02-28 Thu
いよいよ明日新聞折り込みにて、こども将棋教室の生徒募集が始まります。
もちろん将棋教室だけのチラシではなく、
七日町カルチャーセンターで行われる他の様々な講座と一緒に掲載されるチラシです。
一応、将棋の欄も大きめに取ってもらっています。

山形市には、こども同士が将棋を指せる場所がほとんどありません。
また、初心者が一から教えてもらえる場所も私の知る限りないです。
将棋に興味を持った子や、他の子供とたくさん指したい子達が楽しく将棋を学べる場所
となるようにしていきたいと思っています。
将棋教室の内容についてはこちらをご覧ください
※3月14日の1日体験には、前もって予約が必要ですので、ご注意ください。
3月14日折り込み予定のチラシはこちらからご覧いただけます。
チラシには小学生となっていますが、
ある程度、落ち着いて座っていられる子であれば、未就学児の子でも大歓迎です。
2013-02-26 Tue
本当の覚えたての段階の子にはまず駒落ちから将棋を教えていきます。
駒を伸び伸びと使うこと、
全部の駒を使うことを覚えてほしいからです。
また、いきなり指し始めても、
どうやって攻めれば良いのか、何をすれば良いのかが全くわかりません。
私は一応戦法を一つ覚えてもらうことにしています。
将棋の駒は、その働きによって、
「攻め駒」、「守り駒」、「遊び駒」、の三つに分けることができます。
「攻め駒」は相手の玉もしくは陣地を攻める駒
「守り駒」は自分の玉もしくは陣地を守る駒
「遊び駒」は「攻め駒」にも「守り駒」にもなっておらず働きが少ない駒
です。
(※持ち駒はその全てにいつでも成り得る駒なので今回は考慮しません)
通常の対局では、戦いが始まる(駒がぶつかる)前に
互いに、「攻め駒」、「守り駒」の配置を決めます。
ところが、何をすれば良いかわからないと、
「遊び駒」がたくさん出てしまいます。
「遊び駒」があると駒落ちで戦っても、
自分も「遊び駒」の分だけ、駒がないのとほぼ同じですので、
勝つことが難しくなってしまいます。
戦法を覚えることによって、
「攻め駒」「守り駒」の配置の仕方、攻め方を覚えます。
すると、何をすれば良いかわからないという段階は脱することができると思います。
私が覚えたての子に教える戦法は
中飛車か棒銀のどちらかです。
この二つの戦法は狙いが分かりやすいので、子供には特に人気のある戦法です。
花村元司九段の本で、初心者には中飛車が一番良いと書いてあるのを読んで、納得し、
基本的には中飛車を教えていましたが、
私の周りの子が中飛車党ばかりになってしまい、
最近は棒銀を勧めるようにしています。
もちろん、本人にどちらかを選んでもらいます。
教える時には、この本を参考にしています。
![]() | 棒銀と中飛車で駒落ちを勝て! (NHK将棋シリーズ ) (2011/08/11) 高橋 道雄 商品詳細を見る |
まず、
簡単にこの本の攻め方を教えて
教えながら指して、最終的に勝つところまで指してもらいます。
一つの潰し方をマスターするまでは、
同じ形で潰してもらって、慣れてきたら、
こっちも少し変化します。
一応、軽く接戦を演出すると、
楽しく指してもらうことができます。
今週の金曜日にいよいよ将棋教室のチラシが入るようです。
最初は人数が少ないと思うので、より丁寧に教えることができます。
興味のある方は是非、3月14日に七日町カルチャーセンターまで来てください。
2013-02-25 Mon

昨日、天童市の「ゆぴあ」で将棋大会がありました。
物凄い雪で、山形市から運転するのもかなり大変な状況でしたが、
参加人数は全体で90名でした。
子供の部が去年より大分参加人数が増えて、
初級の部が37名、上級の部が8名の参加でした。
子供の将棋人気が高まっているようで、良い傾向だと思います。
「ゆぴあ」は私も大好きな温泉で、
毎月1回は入りに行きます。
たまたま2年前に、ここに入浴した時に、将棋大会があることを知り、
試しに参加したことで、私の将棋熱が再燃した思い出の大会です。
昨年も私は参加して、その時に小学生の子が凄く強くて、
とても礼儀正しかったのに感銘を受け、自分の息子にも将棋を
させたいと思っていました。
昨年の今頃は、長男ユタカはまだ将棋を始めていませんでした。
一年前には、まさか息子が将棋大会に参加するとは思っていなかったので、
大きな進歩だと思います。
前回の子供将棋名人戦で強い子達と戦ったのが楽しかったようで、
今回もユタカは上級で参加したいと言っていました。
しかし、ここ数日、調子が凄く悪くなっており、
前日の将棋教室でも、考えずに指して、今まで負けたことがない子にも、
簡単に負けたりしていました。
家で、久しぶりに私と指してみたら、7枚落ちでも私に負けてしまう状態でした。
精神的な面は将棋にはかなり影響するので、
こんな状態では、大会に参加しない方が良いと言っていたのですが、
本人がどうしても参加したいというので、今回は初級で参加することにして、
会場に向かいました。
初級で受付しようとすると、
「やっぱり上級でやりたい」
と言うので、
本人の意思を尊重し、上級で参加しました。
結果、2大会連続の5戦全敗となってしまいました。
将棋の内容も最初の1局を除いては、全て一方的な内容で負けてしまいました。
前回のこども将棋名人戦に比べても、常に消極的で、注意力がなく、駒をタダで取られたりと、
全然力を出せませんでした。
目の前で息子が一方的に負け続けるのは、私にとっても、本当に辛いことでした。
ユタカが落ち込んでいると、他の子が何人か声を掛けてくれました。
「来年は絶対勝てると思うよ」
「負けたほうが強くなるよ」
「元気だしてね」と言ってお菓子をくれる子もいました。
こういう声を掛けてくれる子達はみんな負けの辛さを知っている子達です。
ユタカにもそういう子になって欲しいと思いました。
このたくさんの負けが本人の糧になれば良いと思います。
2013-02-20 Wed
いろいろな子供達と駒落ち将棋を指してきて、気づいたことがあります。
まだ、将棋を覚えたて、強くなっていない子と駒落ちで対局する際に、
「将棋の面白さ」を教えるために大事なことが
「接戦を演出する」
ということです。
基本的には、下手(子供)に勝たせるように指していくのですが、
その中でも、一応こっちからも、際どい攻め等を見せて、
最終的に大接戦を演出するということです。
こどもがハラハラするような展開を作ってあげると、
将棋の面白さをより味わうことができると思います。
局後に
「あと1手でそっちも詰んでいたけど、
よくこっちを詰ませることができたね」
など褒めてあげると、
自分の詰み筋を確認する訓練にもなりますし、
自分も危なかったことに驚き、その後、自分の玉の危険度も
少しずつ確認するようになります。
将棋の醍醐味は、詰む詰まないの終盤にあると思います。
勝ち負けに直結するので、とてもドキドキします。
ハラハラしながらも勝ち切った時が、
もっとも将棋を指していて気持ちの良い瞬間だと思います。
この気持ちの良い瞬間を、疑似体験させてあげると、
もっと将棋が楽しくなると思います。
たまに、こちらが勝たざるを得ない局面になってしまうことがあり、
その場合は上手が勝つのですが、
それでも接戦であれば、
子供はもう1回やりたいと強く思うようです。
ただ、この接戦を演出する技術というのがとても難しいです。
相手の力量を見誤ると、
一気にこっちが潰されてしまいます。
その後、何をこっちが言っても、
言い訳にしかなりません。(苦笑)
ある程度棋力のある子には接戦を演出しなくても
適切な手合い(ハンデ)でやれば、自然に面白い展開になるので心配はいりません。
(将棋は本当に面白いゲームです。)
まだ実戦経験が少ない子には、
「接戦を演出」することは大事なことだと思います。
これは「どうぶつしょうぎ」でも同じで、
子供を負かす時も、勝ちが決まったとしても、
最後、少し緩めて(わざと意味のない手を指したり)、
相手にも良いところを作ってあげるようにすると、
子供のモチベーションを保つのに良いと思います。
2013-02-17 Sun
ルールを覚えた後に、最初に勉強していくのは、一手詰めが良いと思います。
(その理由は先日の記事を参照してください)
私も自分の子供向けに何冊か1手詰の問題集を買いましたが、
一番最初に解くのに良いのは
「羽生の一手詰」だと思います。
![]() | 羽生の一手詰 (SUN MAGAZINE MOOK) (2010/05/17) 不明 商品詳細を見る |
その理由は
①問題がとても簡単である
②1ページに1問ずつ掲載されている
ということです。
①問題がとても簡単である。
1手詰めの問題集でも、本によって難易度に差があります。
盲点をつくような、有段者でも少し考えなければ解けないものもあります。
覚えたての子にいきなりそのような問題をやらせては、解くのに疲れてしまい。
なかなか続きません。
最初は本当にスラスラ解けるのを楽しむのが良いと思います。
全問スラスラ解ければ、すぐに次の本に進めばよいです。
②1ページに1問ずつ掲載されている
詰将棋の問題集には、1ページに2問ずつ問題があり、次のページに2問分の答えが掲載されてる問題集、
見開きで4問あって、次のページに4問分の答えがあるような問題集もあります。
1ページに複数の問題が載っている問題集では、
一つ解いたときに、その答えを見ようとすると、もう一つのまだ解いていない問題の答えが見えてしまいます。
大人なら見ないように我慢するのですが、小さい子供は、最初、それを我慢することが難しいようでした。
問題が大きく掲載されているので盤がなくても、とても見やすいのも大事だと思います。
慣れてくれば、問題が小さく掲載されてても、解けるようになりますが、最初は大きい方が解きやすいです。
また、問題数が少ないので、
1日に数問ずつ解いていけば、すぐに一冊解き終わります。
その時にたくさん褒めてあげます。
1冊の問題集を終わらせたという自信にもなります。
もちろん他にも1手詰めの良い本はたくさんありますが、
私の所有しているものの中でもっとも初心者に良いと思うものは、
「羽生の一手詰め」でした。
私の教室でも、覚えたての子には、「羽生の一手詰め」を解けるようにするトレーニングから
始めようと思います。
山形市の将棋教室の内容については
こちらをご覧ください。
2013-02-16 Sat
このカテゴリでは、お子様にお勧めの将棋の本を紹介していきたいと思います。今回は、1回目なので、私と将棋の本について少し書かせて頂きます。
わたしは、将棋の本が大好きです。
社会人になってから、将棋の本をたくさん買うようになり、
全部読めていないのに、少し気に入ったものがあると、
次々買っており、20代で数百冊の将棋の本を所有していました。
しかし、仕事が忙しくなったことなどから、一時期、全く将棋を指さなくなりました。
狭い家のかなりのスペースを将棋の本が占めていることを、
妻に咎められ、本当に必要なもののみを厳選し、9割を
ブックオフで処分してしまいました。
数年前より、私の将棋熱が再燃し、
どんどん将棋の本を買うようになりました。
昔、処分してしまった本も、どうしても必要だという結論に至った場合には、
中古で再度購入しています。
昔、自分がしてしまった愚かな行為を何度も悔やみました(笑)
ここ数年で、所有している本の冊数は100冊以上に増やすことができました。
息子が将棋を指すようになって、
最近は、こども用の将棋の本を集めるようになりました。
将棋の本は、良書が多く、
その本ごとに新たな発見があります。
特に、詰将棋の本には、まずハズレがありません。
また、本を買うときは、よほどのことがない限り、ネット通販などでは買わずに、
近くの本屋さんで買うようにしています。
その理由は、いくら将棋の本のマニアの私でも
発売された全ての将棋の本を買うことは許されておらず、
立ち読みで済ませることも多々あります。
その立ち読みができるのも、本屋さんがあるからで、
その本屋さんに、将棋の本がたくさん置いてあるのも、
将棋の本に需要があるからです。
ネットで買っていたら、どんどん街の本屋さんは無くなっていってしまうので、
微力ですが、街の本屋さんに貢献しようと思っています。
今回は長くなったので、この辺りで終わりにして、
次回は、お子様にお勧めの将棋の本を紹介したいと思います。
5歳の次男は、毎晩、寝床で詰将棋を数問解くようになりました。
お子様に適切な難易度の将棋の本を与えると、楽しく一人で本を読むようになると思います。
簡単な詰将棋の問題は楽しいので、「読書の習慣」を身につけることもできると思います。
2013-02-14 Thu
どうぶつしょうぎが充分に強くなってきたので、5歳になった次男と本将棋(普通の将棋)を指すようになりました。
駒の動かし方は完璧になったので、
(駒の動かし方の教え方はこちらを参照してください)
まず最初は、
将棋盤を使って詰将棋を解き始めました。
1手詰めです。
解けると褒められるのがうれしくて、どんどん解いていきます。
1手詰めの本1冊を数回繰り返します。
その内、簡単な1手詰めは数秒で解けるようになります。
この1手詰めの詰将棋によって、
①「玉の詰む形を覚える」
②「駒の使い方を覚える」
③「数秒間駒を見ながら考えることができる」
以上のような効果があります。
①「玉の詰む形を覚える」
これがきちんできないと、
将棋の対局をなかなか終わらせることができません。
入門者同士の対局で、よく見るのが、お互いに詰ますことができずに、
ダラダラと何十分も対局が続きます。
これでは、将棋が面白くなくなってしまうかもしれません。
逆に、これさえ覚えれば、劣勢の将棋を一発逆転できることもあります。
②「駒の使い方を覚える」
1手詰めでも、それぞれの駒の性能を駆使して詰ます手がたくさん出てきます。
実戦でも使える手ばかりですので、「玉を詰ますこと」以外でも上達が見込めます。
③「数秒間駒を見ながら考えることができる」
個人的にはこの効果が一番大きいのかもしれないと思っています。
入門の子で、あまり落ち着いて考えることができずに、すぐに指してしまう子が
よくいます。1手詰めはその1手の意味をしっかり考えなくてはならないので、ここで
考える癖が身につくと、実戦でもきちんと考えることができるようになります。
これらを身につけてから、
通常の将棋の練習に入った方が、
上達は早いと私は思います。
1手詰めの簡単な問題がだいたい10秒程度で解けるようになったら、
駒落ちと3手詰めの学習に入ります。
2013-02-09 Sat
まだ、教室が始まっておらず、どの程度の年齢や、棋力のお子さん達が集まるのかわかってから、
いろいろと改良していこうと思っていますが、
私の教室では、お子様達を大きく二つのグループに分けて、
将棋の勉強をしていく予定です。
一つ目のグループは、
「入門グループ」です。
・まだ、駒の動かし方が曖昧、もしくは、わからない。
・1手詰を詰ませることができない。
位のレベルの子供達です。
このレベルの子供が、普通に指せる子と戦っても、
残念ながら勝負になりません。
何故なら、まだ将棋の「勝ち方」、「考え方」を知らないからです。
このグループの子へは、私が直接、詰将棋を盤で解いてもらったり、
説明しながら対局して、とにかく勝って貰い、
将棋の楽しさを教えていきたいと思います。
このレベルの子は全員私に勝ちまくります。
詳しくは
こどもに将棋を教える方法 幼児期編(3~5歳) ①駒を動かす楽しさを教える
を参照してください。
ある程度勝ち方を理解してきたら、二つ目のグループに昇格してもらおうと思っています。
二つ目のグループは
ある程度将棋を指せる子達のグループです。
このレベルの子達には、
とにかくたくさん指してもらおうと思います。
もちろん子供達それぞれの棋力に差はあると思うので、
「全員が勝率50%程度」になるような適正なハンディを付けていきたいと思います。
ある程度人数が集まれば、毎回リーグ戦やトーナメントなどをしたいと思います。
対局後に必ず感想戦(対局後に開始から終局までを再現し、対局の中での良い手、悪い手について検討すること)
を行うようにしたいのですが、それはその子のレベルに合わせて考えたいと思います。
このグループの子も、毎回、数人ずつ、私と駒落ちで対局して、
その子の将棋の良い所や、直したほうが良い所とその理由についても一緒に考えたいと思います。
ここで大事なのは、例え、悪い手でも、本人が自分の責任でどうしても指したいのであれば、
それは本人の自由で、私は無理には止めません。
そこで私がでしゃばってしまっては、本人にとっての、将棋の面白さが減ってしまう可能性もあります。
将棋は自分で考えるのが楽しいのです。負けが続けば、本人が自分の意思で修正をしていきます。
ある程度指せる子には、強制はせず、アドバイスだけして一緒に考えるような感じにしていこうと思います。
詰将棋早解き大会等も毎回行っていこうと思っています。
楽しく考えて、お子様の脳力をぐんぐん伸ばしていきたいと思います。
まずは、3月14日以降の木曜日に、
講座を体験してみてください。
2013-02-08 Fri
駒を取ったり取られたりする際に、注意しなければならないのが、
駒の「効きの数」です。
下の図を見てください。

「おはじき」の置いてある場所の互いの「効きの数」を数えてみます。
森側(下側)はゾウが効いているので「効きの数」は1です。
対して空側(上側)はキリンとライオンが効いているので「効きの数」は2です。
従って、この「おはじき」の場所については、空側(上側)の方が効きが多いということになります。
効きが多い場所に
下図のように打ち込んでしまうと

「効きの数」が少ない森側は駒を損してしまうことになります。
(この場合では、キリン1つ(4点)と、ゾウとヒヨコ1つずつ(4+1=5)の交換となっていまいます。)
将棋を始めたばかりのお子さんには、
取ったり取られたりする際に、「効きの数」を数えてもらうようにしています。
しばらく数えていると慣れてきて、
あまり意識しなくても
「この場合は打ち込める」、「この場合は駒の効きを足す必要がある」
などと自分で判断できるようになってきます。
これは、本将棋(普通の将棋)を指す場合でも、とても大事な基本です。
将棋の攻めでは、足し算と引き算を使いますが、
その前に、「効きの数」を数えられるようになる必要があります。
2013-02-06 Wed

まだ教室が始まっておらず、生徒の人数もわからないのですが、
盤と駒を購入しました。
せっかく来てもらって、盤が足りない等となっては困るので・・・・。
少し高くつきましたが、木の盤を4セット購入しました。
これで既に持っているものと含めて、7セットは確保です。
木の盤と駒でないと、将棋の楽しさが少し減るような気がします。
ただ、私の私物となるので、毎回運ぶのが少し大変そうです・・・・・。
あと、うちの5歳の二男坊もそうだったんですが、
未就学児の子は、最初は漢字の識別が大変みたいなので、
一字駒を2セット購入しました。
小さいお子様には最初は一字駒から使ってもらおうと思っています。
最初に一字駒を使う方が、駒の動き等を覚えやすいと思います。
講座体験お待ちしています。
2013-02-05 Tue
将棋の対局では、対局の途中で、相手と自分どっちが今有利なのかを判断する必要があります。
もし自分が有利なのであれば、その状態を更に拡大するためにはどうすれば良いかと考えます。
また、もし自分が不利なのであれば、多少無理をしても攻め合ったり、戦線を拡大したりして、
激しい攻め合いの展開に持って行き、少しくらいの不利有利が関係ない複雑な状況に
もって行くように考えたりします。
この形勢判断は難しく、
一般的に、①「駒の損得」、②「駒の効率(働き)」、③「玉の固さ(囲いに入っているか等)」、④「手番(どちらの番か)」
の4つの要素で判断すると言われており、
この4つの要素も実戦の状況によって、どれを優先するかが変わってきます。
少し難しい話になりましたが、
どうぶつしょうぎで、この「形勢判断」の基本を学ぶことができます。
普通の将棋に比べて、単純なので、形勢判断の仕方がわかりやすいと思います。
どうぶつしょうぎにおける形勢判断のポイントは
①「駒の損得」がもっとも大事で、
②「駒の効率」も少し考える必要があると思います。
③「玉の固さ」は囲いを作ることができないのであまり関係がないと思います。
④「手番」も最初はあまり意識しなくてよいと思います。(本当はとても大事です)
①「駒の損得」についてですが、
前回書いた「駒の価値」を
仮に、「駒の動ける場所の数」に基づき、
ヒヨコは1点、ゾウは4点、キリンは4点だとします。
(ライオンは点数がつけられない位大事な駒なので考慮しないこととします)
とすると最初の状態においては、
互いに、1+4+4=9 で9点ずつ持ってるということになります。
今、相手のヒヨコと自分のゾウを交換してしまったとします。

そうすると、自分の駒はヒヨコ×2、キリンとなり、
合計点は1×2+4=6点
相手の駒はゾウ×2、キリンとなり、
合計点は4×2+4=12点
結果ヒヨコ×2とゾウ×2の差分
(4×2)-(1×2)=6
だけ形勢が不利ということになります。
「どうぶつしょうぎ」において、このポイント差は
同じレベル同士だとまず勝てない差になっていると思います。
つぎに
②「駒の効率」についてですが、
特にゾウについては効率を意識する必要があります。
ゾウは最初に居る場所において動ける場所は1個しかありません。

ところが、一度斜め前に進めば動ける場所は4個になります。

この場所の方が効率が良いということになります。
また、ライオンに関しても、最初の場所では、動ける場所は5個ですが、
一つ前に進めば、動ける場所は8個になり、盤上を制圧しているような状態になります。
この二つの駒が充分に働く形にできると有利に進めやすいと思います。
ちょっと今回は複雑になってしまいました。
教室では、以上のような点数に基づく形勢判断は、
ある程度強くなってから教える予定です。
初心者の子には、何となくでも良いので、
今、自分が有利なのか不利なのかをわかるようにするところから始めていきます。
2013-02-04 Mon

昨日は小学生名人戦山形県大会がありました。
参加人数は47人(昨年は31人)とたくさんの子供達が参加しました。
初級の部、中級の部、名人戦の部と3つの部門に分かれており、
ユタカは昨年の夏に8級の認定を頂いたままなので、
本来は初級の部で参加する予定でした。
しかし、最近は成長が著しく、支部の先生達にも期待して頂き、
今後の経験を積むために、名人戦の部に参加することとなりました。
名人戦の部は有段者クラスの子も多く、
ユタカはひいきめに見ても5級程度の実力だと思うので、
厳しい戦いを予想していました。
結果は五戦全敗となってしまいました。
ただし、五局の内三局では、中盤から終盤にかけて
明らかに有利になっている局面があり、
勝負にはなっているように見えました。
将棋は逆転のゲームですので、
そこから勝ちきるのが難しいのですが、
明らかに格上の相手に対して、堂々と戦っており、
結果は良くなかったですが、内容的は満足のいくものでした。
局後、ユタカは
「俺と戦った子かわいそうだな・・・・」
と言うので
理由を聞くと
「だって、3勝2敗の時に、相手の勝ち数のポイント貰えないから不利じゃん・・・」
と、スイス式トーナメントのポイント制度の細かい部分のことを気にしていました。
このクラスの相手になると、
みんな手筋(将棋の技)をたくさん知っており、
ユタカに対してその技をかけてきます。
このクラスの子と戦うのが初めてのユタカは、それを全てまともに食らいます。
唯一の持ち味である、終盤の粘りで応戦しますが、
相手の終盤力が上回り、詰まされるという展開がほとんどでした。
本人は、負けまくりましたが、
将棋の面白さを体感したようで、
「早く上級に行きたい!
来年も名人戦の部に、絶対に出たい!
あと3回出れるんでしょ?」
と言っており、
親としては、とても頼もしく思いました。
「将棋は負けた方が強くなる」というのは本当だと思います。
帰宅後、ユタカは弟と6枚落ちで、
対局しました。
今日一日で強くなっていたので、
差し回しも見事だったのですが、
トモフミの急成長ぶりが凄く、結局詰まされて、
今日の六敗目を喫してしまいました。
いつもなら泣くのですが、負け慣れてきたようで、
すこし寂しそうな顔をしているだけでした。
このまま寝かすのはあんまりだったので、
私が
「囲碁やるか?」
と聞き、
本気で囲碁の勝負をし、
いつもどおり私がボロボロに負けると、
「パパ、弱すぎ!」
といい、
私の悪かった所をいろいろと解説してくれました。
名人戦の結果には
大波乱があったようで、
優勝候補筆頭の5年生の子が
息子も戦ったことのある3年生の子に負け、
3年生の子が山形県小学生名人に輝きました。
その子は、先日の山形市民将棋大会でも、
息子の参加した低学年の部ではなく、
大人の部に参加しており、
「意識の高い子だなぁ」と感心していました。
将棋は本当に面白いと改めて思える一日でした。
2013-02-02 Sat
将棋の初心者の子に教えなければならないことが、「駒の価値はそれぞれ違う」ということです。
どうぶつしょうぎをやっているときに、駒の価値について考えてもらうようにしていました。
「どれが一番大事な駒?」
と聞くと
たいていの場合は
「ライオン」
と言いますが、
たまに、自分が好きなどうぶつの名前を言う子もいます。
「どうぶつしょうぎで一番大事な駒はライオンだよ。
何でだと思う?」
などと子供達に考えさせながら、一つ一つ駒の価値を教えます。
ここで、難しいのは
ゾウとキリンとヒヨコの価値の違いです。

私は、
動ける場所の数を基本に価値を考えるように教えます。
ゾウとキリンは4個ずつなので、価値は同じということにします。
ヒヨコはニワトリになれれば価値はあがるけど、ヒヨコのままのときは
1個しか動けないので、ゾウとキリンよりは価値が下です。
大事なのは、
自分のゾウやキリンを相手のヒヨコと交換してしまったら、損をしたと思えるようにする。
ことです。
ゾウやキリンと私のヒヨコを交換しようとしたら
「えっ、交換してくれるの?」
と喜ぶと、自分が何か損をした気持ちになるようです。
何度か繰り返すと、損を認識するようになります。
このことが、
将棋の駒の価値を教える際の土台になるのだと思います。
将棋の場合は、駒の価値はより複雑で、
局面によって駒の価値が変わったりします。
だから面白いのですが、将棋の駒の価値については、ずっと後に
書けたら書こうと思います。
2013-02-01 Fri
お子さんの頭脳を鍛えたくて、囲碁か将棋のどちらかを習わせたいという話を良く聞きます。
囲碁と将棋どっちを習わせれば良いのでしょう?
私の結論は
「本人が好きな方ならどちらでも良い」
ということです。
私は将棋は三段で、囲碁は10級程度しかなく、
囲碁と将棋では、将棋の方が好きなのですが、
その気持ちを抑えて(笑)、冷静に両者の違いを説明したいと思います。
(あくまで私の個人的な考えですので、参考程度にしてください)
一つ目の例は
「家の建築」です。
囲碁は、
ある決められた範囲の土地があったとして、
そこに互いに杭をうったりして、家を造っていきます。
最終的に大きい家を建てた方が勝ちになります。
将棋は、
まず互いの土地に家を建てて、互いに相手の家に乗り込み、壊しあい、
家の中、もしくは外に追い出された王様を捕またら勝ちです。
こう書くと、私の大好きな将棋が凄く残酷なゲームみたいになってしまいますが、
それだけ将棋はスリリングで、激しいゲームだと思います。
だから、負けると物凄く悔しいです。
大人でも負けると本当に泣きたいくらいの気持ちになる時もあります。
こども将棋大会などで、試合後に泣いている子も良く見ます。
(その涙が、その子を強くすると私は思っています。)
二つ目の例として、
スポーツで考えると、
囲碁はバスケットボールに近く、
将棋はサッカーに近いと思います。
囲碁は互いにポイントを細かく稼いでいく感じなので、
終盤にはある程度差がついてる場合が多く、あまり大逆転が起きにくいと思います。
将棋は、どんなに優勢になっていても、一つの小さなミスであっという間に逆転します。
こどもの将棋の場合は、逆転の連続です。
完全に負けているのに、相手が王手に気づかなかったために逆転で勝ったというのを
こども将棋大会では何度も見ています。
また、こどもの将棋大会では、二歩を打てば一発で負けになります。
打った瞬間に、本人が気づき崩れ落ちるのも何度か見たことがあります。
普通の小中学生が味わえない緊張感がずっと続く感じです。
囲碁には、そういう反則負けはあまりないと思います。
私は弱すぎて、囲碁の大会に参加したことがないので、そちらはそちらで
緊張感もあり、素晴らしいのだと思いますが、何も書けません。
政治家には囲碁愛好家が多いのは、
囲碁は試合のあとに、普通に仲良く政治の話ができますが
将棋の場合は、少し時間を置かないと冷静に仲良く話ができないからだ。
という意見を聞いたことがあります。
習い事として選ぶ場合どちらが良いのかということですが、
結局、その子がどちらに興味を持ったかということと、
きちんと教えてもらえる指導者がいるか?
ということだと思います。
ルールだけではなく、囲碁や将棋の考え方をきちんと教えてもらえないと
なかなか強くならないですし、強くならないと面白くもなりません。
面白くなければ続きません。
いろいろな習い事を体験してみて、お子様が楽しく学べそうな方を選ぶのが一番良いと思います。
どちらにしろ脳が鍛えられるのは間違いないと思います。
脳に軽い負荷をかけることで、脳を鍛えることができます。
私は、自分の子供には、
「将棋三段で囲碁ができない」より、
「将棋初段で囲碁も初段」ってなってもらった方が、今後の人生において、
いろいろ交友関係なども含めた幅が広がって良いのでは?と思っています。
ちなみに、息子と私は同時に囲碁を覚えたのですが、
本気でやっても息子に勝てなくなってしまいました。
いろいろと将棋の厳しいことを書いてしまったかもしれませんが、
私の教室では、どんなに初心者の子でも、
楽しく気分良く将棋を覚えられる工夫をしていきますので、
楽しく続けられると思います。
将棋に興味を持ったお子さんは、
山形市の将棋教室も是非一度体験してみてください。